イギリスの民間テレビ会社 ITVが中世初期、アングロ・サクソン時代の英文学の傑作『ベーオウルフ』を13回のドラマシリーズにするというニュースを見た。撮影は2015年に開始、放映は2016年の予定。脚本家はもう書いているようだが、まだ、キャストは発表されていない。ニュースはこの記事。
イングランド北部のダラム州の石切場跡地に大がかりなセットを組んで撮影するそうだ。そのニュース記事。
『ベーオウルフ』の筋を13回に引き延ばすのは無理だと思うので、原作からはかなり離れて、キャラクターは使っても、各エピソードの多くは新たな創作になるだろう。そういう意味では、BBCの『マーリン』みたいに。しかし、それでもどういう作品になるか大いに興味はある。多分、中世を舞台にした西部劇、古くて新しいSF、未来と過去が入り交じったゴシック・ロマン、といったところかな。アクションたっぷりで、多少お色気もあって、コンピューター・グラフィックスをふんだんに使って、という具合だろうと想像する。
それで思ったのだが、日本の大学でも、「映画になった中世英文学」とか、「映画になった中世ヨーロッパ」というような授業があったら面白いだろうな。『ベーオウルフ』も私の見ただけでもすでに3本あるし、他にもあるに違いない。一方、『カンタベリー物語』は意外に少なくて、映画ではパゾリーニ版しか知らない。BBCのテレビ版はありとても面白いが、日本では売られていないはずで、また完全に現代の物語にしてあり、原作との関連は発想の源という程度。マロリーの『アーサー王の死』はかなりある。比較的原作をなぞっているジョン・ブアマン監督の『エクスカリバー』、原作からはかなりかけ離れていると思うが、リチャード・ギア、ショーン・コネリー主演の『トルー・ナイト』、ロバート・テイラー、エヴァ・ガードナー、メル・ファーラーという大スター主演の『円卓の騎士』など思い浮かぶ。
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