7月7日火曜日に放送されたNHKハートネットTV「曖昧な喪失の中で ―福島 増える震災関連自殺―」を録画しておいて、今日10日に見た。タイトル通り、福島県で震災関連自殺が増え続けているが、その背景や、具体的に亡くなられたある男性のケースを報告している。今回はスタジオ・ゲストの話などはなく、一種のドキュメンタリー番組となっている。
番組ホームページから引用すると:
「内閣府自殺対策推進室による統計『東日本大震災に関連する自殺者数』によれば、福島県の自殺者数は、2011年が10人、12年が13人、13年が23人。同じ被災県、岩手、宮城と比較しても、福島県の増加傾向は顕著です。」
今年もこの放送までの震災関連自殺者は、岩手、宮城での各1人に対し、福島では6人。岩手、宮城では、11、12、13年と後になるにつれて自殺者数は顕著に減少しているのに、福島は上記の様に増え続けている。明らかに、原発事故による放射能汚染、失われ帰還することの出来ない故郷、そしていつ終わるとも知れない避難生活、全く見えない将来、等々の要因が、福島だけ自殺者が増え続けている理由だろう。更に、地域で治療にあたる精神科医の先生によると、放射能汚染の避難に伴って、時間が経つにつれて問題が複合化し多岐にわたるようになり、一層避難者を苦しめているようだ。例えば、避難者の子供が新しい環境になじめずいじめにあったり、経済的な問題、職の問題、親の介護なども生じる。今回番組が取り上げられた自殺者、五十崎喜一さんのケースでも、彼の母親が避難生活の中で認知症になり、徘徊が始まったことで、息子さんを追い詰めた面もあるらしい。また、彼は原発事故前は、その福島原発で働いていたそうだ。だからこそ、奥様によると、一旦事故が起きたら収束は極めて難しいことを自分自身良く分かっていたので、一層絶望されたのかも知れない。
番組の紹介ページ
再放送は15日火曜日午後1時5分。
国民の注意を故意にこの不都合な現実から逸らすかのような自民・公明政権の集団的自衛権への深入り。新聞やテレビを埋め尽くす安全保障問題や中韓との対立、オリンピック招致やワールドカップの狂騒・・・故郷から遠く離れてひっそりと暮らす避難民や、雨漏りしカビだらけの狭くて不健康な仮設住宅で、進む老いと向き合う老人達は、どう感じておられるだろうか。
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