2014/08/27

"The Roaring Girl" (The Swan Theatre, RSC, 2014.8.21)

英語がむつかしくて、ちんぷんかんぷん

劇場:The Swan Theatre, The Royal Shakespeare Company
2014.8.21  19:30-22:30 (含む, 1 interval)

脚本:Thomas Middleton & Thomas Dekker
演出:Jo Davies
デザイン:Naomi Dawson
照明:Anna Watson
音楽と音響:Simon Baker
衣装:Janet Bench

配役:
Mol Cutpurse (the Roaring Girl): Lisa Dillon
Laxton: Keir Charles
Mary Fitzallard : Faye Castelow
Mr Gallipot: Timothy Speyer
Mistress Gallipot: Lizzie Hopley
Sir Alexander Wengrave: David Rintoul
Jack Dapper: Ian Bonar
Sebastian Wengrave: Joe Bannister
Mistress Tiltyard: Liz Crowther
Geoffrey Greshwater: Ralph Trapdoor

今回、ストラットフォードに行ったのは、20年来お付き合いのある老婦人にお会いするためであったが、せっかくだからとRSCで3本の劇を見ることにした。特に2本はジェイムズ朝の劇であまり見られないということもあり、切符を購入した。しかし、ストラットフォードに行く前から疲れがひどく溜まっていて、劇の間中うとうとしてしまい、特にこの”The Roaring Girl”は期待していたのに、セリフがわからず、ちんぷんかんぷんのまま3時間終わってしまった。したがってまともに感想も書けない。但、見た記録として、パンフレットに沿って、配役や粗筋は書いておくこととした。シェイクスピアだと、日本語で見たり読んだりしているので、大筋は理解できるのだが、私の英語力では、初めて接する古い劇の場合、出発前に、せめて日本語ででもテキストを読んでおかないといけない、と大いに反省している。わかっているのだけどねえ・・・。

(粗筋)Sebastian WengraveはMary Fitzallardと結婚しようと目論んでいるが、彼の父のSi Alexanderは大反対。そこで、Sebastianは一計をめぐらせる。つまり、悪名高き男装の女スリ、Moll Cutpurseと恋仲になったと父親に思わせて、父が「それならMary Fitzallardのほうがずっとまし」と思うように仕向けようという企みだ。
 一方、Sebastianの伊達男の遊び仲間達(The Gallants)は、現代の能天気のプレイボーイみたいに、盛り場の店に集まり、最新流行の服を試したり、店主を冷やかしたり、お店の奥さんをからかったりしている。中でも、この軽薄な若者たちのひとりのLaxtonは、タバコ屋の奥さんのMrs Gallipotを誘惑してお金をせしめようと企んでいる。しかし、その裏で、彼はMollに魅力を感じて近づこうとする。MollはLaxtonが女性を売春婦みたいに軽く見ていることに憤り、彼と激しく敵対する。
 Sebastianの計画通り、Sir Alexanderは息子が女スリと結婚したら大変、と大慌て。そうなるのを防ぐためにRalph Trapdoorというチンピラを雇って、Mollに近づかせて彼女の様子を彼に報告させようとする。Ralph Trapdoorの報告に基づいて、Sir AlexanderはMollの目の前に高価なダイヤモンドの指輪や腕時計を盗みやすいように置いておき、彼女がそれらを盗もうとしたところを現行犯で捕まえる、という作戦を考える。
 しかし、MollはTrapdoorの様子がおかしいと疑惑を持つようになり、Sir Alexの計略は彼が思うようには進まない・・・。

というようなストーリー。この大筋はパンフレットで読んでいたのだが、これはコメディーで結構笑えるシーンが多いようなのに、英語がむつかしくてちっとも笑えない。それからSebastianとSir Alexの行動は大体フォローできたが、Laxtonの行動や台詞はさっぱりで、彼が何を言ったりしたりしているのかは、さっぱりわからずじまいだった。劇場が笑いに包まれているときに、ちんぷんかんぷんで苦笑いは、一層悔しいな。

モダンなプロダクションになっているが、現代ではなく、ビクトリア朝のセットとコスチュームらしい。Mollはたいへんたくましい男装の女性として描かれるだけでなく、「女は根は皆売春婦」と言わんばかりの男達の偏見にさらされることをひどく憤っているようだ。よくわからないながらも、テキストにある以上に、Mollの強さ、たくましさ、そして女性としての誇りを強調した演出のように感じたがどうだろうか。そうした演出意図にLisa Dillonは精一杯答えていたが、いささか小柄な俳優で、一生懸命肩をいからせている感じはした。Mistress Gallipot、Mary Fitzallardなど、他の女性たちも活き活きと演じられていて、女性のたくましさを称賛する劇という感じは出ていた。

商店のシーンはとても明るくて、ビクトリア朝のショッピングモールみたいな感じだった。私の好みとしては、滅多に上演されない(おそらく私は2度とステージでは見られない)劇だから、やはりジェイムズ朝劇らしいオーセンティックなコスチュームとセットで演じてもらって、17世紀初めのロンドンの猥雑な雰囲気を嗅いで見たかったな。

2 件のコメント:

  1. ライオネル2014年8月27日 15:26

    Yoshiさま
    友人がこれを見るというので、チケットを取ってあげました。
    日本語の題名を調べてあげたので、本を読んで観たのですが・・・・・わかりにくかったと言ってました。
    ”ホワイトデビル”はご覧になりましたか?
    MARIA ABERGの演出なので、興味がありました。
    彼女は素晴らしい演出家だと思っています。
    もし見られていましたら、感想をお願いします。
    私は「ウルフホール」しか見れませんでしたが、すごく良かったです!
    クロムウェルのBen Milesも、ヘンリー8のナサニエル・パーカーがうまいです。
    お時間がありましたら是非!!

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    1. ライオネル様、いつもコメントありがとうございます。

      一応粗筋はプログラムで見ておいたのですが、それでは足りませんでした。特にコメディーは面白さを掴むのがむつかしくて、焦ります。しかし、ネイティブのように笑えないのは仕方なく、諦めるより仕方ないですねえ。

      『ホワイトデビル』見ました。もう記憶が薄れつつありますが感想を書くつもりにしております。

      ストラットフォードでお会いした方々から、オールドヴィックの『坩堝』、ウエストエンドの『シェイクスピア・イン・ラブ』などがとても良いと聞きました。色々見たい劇はあるのですが、ほぼ無収入の私にはなかなか敷居が高いです。

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