2011/02/09

『二重被爆』(2006年)と『二重被爆ー語り部 山口彊の遺言』(2011年7月以降公開)

『二重被爆』(2006年公開、青木亮監督)と『二重被爆ー語り部 山口彊の遺言』(稲塚秀孝監督、2011年7月以降公開予定)

BBCのQIの問題を通じて、山口彊さんのドキュメンタリーを撮られた稲塚秀孝監督とメールのやり取りをした。その稲塚監督のご厚意により、標題の2本の映画DVDをお送りいただいた。特に後者は公開前の作品であり、恐縮至極である。

この2作品は、どちらも稲塚監督の会社、タキシーズが制作した。前者は既に公開されたので、見た方もいらっしゃるかもしれない。DVDはタキシーズから直接購入できる。ページ左下の「DVD販売」をクリックして下さい。後者のドキュメンタリーは今年7月より日本で公開予定であるとのこと。現在、上映希望を受付中とのことであるので、関心のある方は、このページをご覧下さい

このブログの読者には、ニューヨークにお住まいの方はいないとは思うが、ニューヨーク平和映画祭の招待作品として、3月に上映されるそうである。詳しくは「週間NY生活ニュース」というサイトをご覧下さい。

ふたつの映画共に、山口彊さんの語り部としての証言と活動を中心に撮られているが、2006年の映画では、その他の二重被爆者の方々も含め、被爆の証言を生に伝える事が中心となっている。2011年の最新作では、前の映画の撮影以降の、山口さんの語り部としての活動、彼を尋ねてきた人々との交流、更に死の床についても被爆の経験を伝えようとする山口さんの強い意志などに力点が置かれ、まさに被爆の語り部、山口彊さんの生き様を追った映画である。

どちらも被爆者の生の声をじっくり聞ける作品であるから、大変大きな感銘を与えてくれるが、特に山口さんの、原爆と戦争の恐ろしさを伝えたいという強い執念に大きな感銘を受けた。一応は数として知ってはいても、ひとつの爆弾で一瞬にして約14万人、そして約7万人の死者を出したという事実の重さを実感させられた。1人の命でも、家族にとっては、自分の命と同じくらい重い。いや親御さんにとっては、自分自身の命よりも重いだろう。広島の14万人以上、長崎の7万人以上という膨大な死者の数字の背後にある数え切れない家族の悲しみ、本人の無念を思う。

私が特に胸を打たれたのは、ドキュメンタリーに登場したアメリカ人の人達。被爆地を訪れて山口さんの話に聞き入った高校生達、彼の通訳を務めた方、死の近づいた彼にわざわざ会いにやって来たジェームズ・キャメロン監督・・・原爆投下を正当化する人が大多数としても、原爆を落とした国の国民だからこそ、その事を深く反省し、日本人以上に山口さんの話に心から耳を傾ける心の広さを持っている人も多いのだろうか。

『二重被爆ー語り部 山口彊の遺言』は7月以降公開されるそうなので、多くの方が見て下さることを祈ります。

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2 件のコメント:

  1. Yoshiさん、これらのDVDは英語の字幕付きなんでしょうか?

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  2. ミチさん、

    いいえ、普通は字幕はついていません。でも英語字幕版も作ってあるようです。従って、英語字幕版が欲しいが、とお問い合わせをしていただくと良いと思います。Yoshi

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