"Polar Bears"
Donmar Warehouse公演
観劇日:2010.4.29 19:30-21:00
劇場:Donmar Warehouse
演出:Jamie Lloyd
脚本:Mark Haddon
美術:Soutra Gilmour
照明:Jon Clark
音楽、音響:Ben and Max Ringham
衣装:Fizz Jones
出演:
Jodhi May (Kay)
Richard Coyle (John, Kay's husband)
Paul Hilton (Sandy, Kay's brother)
Celia Imrie (Margaret, Kay's mother)
David Leon (Jesus, Kay's lover and mortuary attendant)
☆☆☆☆ / 5
4月19日に既に見たDonmar Warehouseの"Polar Bears"をもう一度見た。最初に見た時は、それ程良いとは思わなかったのだが、しかし、自分が作品を充分味わい尽くせてない気がしていた。見終わってからとても気になって、また見たいと思っていた。オンラインで見ると切符は売り切れていたが、しばらくしてこの晩に幾つか空席が出たので、行くことにした。
前回の感想はこちら。
特に新しい発見はなかったが、最初見た時よりも多少英語の上での理解は改善した。タイトルの"Polar Bears"は"bipolar"にかけたところもあると思うが、主人公のKayが見た夢の中に出てくるシロクマから取っているようだ(それ以上、細かい事が分からない)。この夢が寓話のようになっているのだが、どういう意味があるのか、分からないまま。
劇全体は、Kayだけの話と言うより、家族の物語という印象をより強く持った。特に兄のSandyのことは、妻との別居、そしてしばらくしてまたよりを戻していること、子供に定期的に会いに行くこと、父が自殺した時Sandyがどう感じたかなど、かなり詳しく描かれていて、興味深い人物になっている。Sandyと同じくらい、JohnやMargaretについても描いてくれるともっと面白かったのに、と思う。但、あまり意味の通る全体像を求めても仕方ない気もする。劇全体が、narrative coherenceをぶち壊すように作られていて、Kayの内面が錯綜するように、色々なメンタル・スケッチが次から次へと現れては消え、それらが形作る全体の印象を観客に受け入れさせるように出来ていると思う。従って、リアリズム・ドラマとしての「意味」を求めようとすると、フラストレーションが溜まる。そのまま、劇のそれぞれのシーンに集中しつつ見て、最後に満足できれば良いのだろうと思った。
今回再度見て大変感銘を受けたのは、Jodhi Mayの演技。何だか、前回より一層熱を帯びた感じがした。演じ終わって、カーテンコールで出てきた時、演技の表情がまだしっかり顔に残っていて、こわばったような顔つきをしていて、如何に彼女が役に没頭していたかを感じさせられた。大変迫力ある、才能を感じさせる演技であった。ということで、☆をひとつ追加。他の主要な俳優3人も素晴らしかった。
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