2019/03/23

"Agnes Colander: An Attempt at Life" (Jermyn Street Theatre)

"Agnes Colander: An Attempt at Life"

観劇日:2019.3.7 19:30-21:30
劇場:Jermyn Street Theatre

演出:Trevor Nunn
脚本:Harley Granville-Barker, revised by Richard Nelson
デザイン:Robert Jones
照明:Paul Pyant

出演:
Naomi Frederick (Agnes Colander)
Matthew Flynn (Otho Kjoge)
Sally Scott
Cindy Jane Armbruster
Harry Lister Smith (Alexander Flint)

☆☆/ 5

"Preface to Shakespeare" 等の啓蒙書でも知られる演劇人、Harley Granville-Barkerの埋もれたままになって上演された事がなかった作品を大御所Trevor Nunnが発掘し演出した。去年、Theatre Royal, Bathで始めて上演されたプロダクション。物語は、イプセンの『人形の家』で、ノーラが旧弊な夫を捨てて家を出た後どう生きたかを描いたような話。

物語のセッティングはイギリスとフランス。主人公のAgnesは彼女を裏切った夫を捨てて3年が過ぎ、画家として新しい生活を始めている。彼女と同棲しているOtho Kjogeは家父長的で彼女を独占しようとし、彼女を慕う若者のAlexander Flintは、彼女を人形の様に理想化してやまない。折角夫を捨てて自由を獲得したように見えたAgnesだが、女性を一人前の人間として扱えない男達に囲まれて、独立した芸術家としての未来が描けない。

ということで、発想は大変面白いが、台詞がまったく噛み合わず、何だか抽象的な議論を延々と聞かされている感じで面白くなく残念。Granville-Barkerは、検閲されるのを恐れてこの劇を上演しなかったと言われているようだが、作品自体にも大いに問題があると自覚していたのではないだろうか。

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