2019/03/22

"Richard II" (Sam Wanamaker Playhouse)

"Richard II"

Shakespeare's Globe 公演
観劇日:2018.3.3 13:00-15:30
劇場:Sam Wanamaker Playhouse (Shakespeare's Globe)

演出:Adjoa Andoh & Lynette Linton
脚本:William Shakespeare
デザイン:Rajha Shakiry

出演:
Adjoa Andoh (Richard II)
Dona Croll (John of Gaunt)
Leila Farzad (Queen)
Shobna Gulati (Duke of York)
Sarah Niles (Bolingbroke)
Indra Ové (Mowbray / Northumberland)
Sarah Lam (Duchess of Gloucester 他)

☆☆☆☆ / 5

俳優は勿論スタッフもすべて女性、更に全員が有色人種で、多国籍、多文化の背景を担う人々だけで作られた公演。アフリカ系、中近東系、インド等南アジア系、そして東アジア系からなる混成カンパニーだった。彼らは皆、それぞれの文化を反映した民族衣装のような服を着けていた。身体表現や、台詞の言い方、言葉のアクセントなどもそうした点が残され、あるいは強調されて、にぎやかな、多文化のデパートみたいな公演になっていた。但、その分、一貫したまとまりには欠ける気がした。ディレクターの一人は王Richardとして主役も務めるAdjoa Andohn。カンパニーの中には、シェイクスピアは始めてと感じさせるような、あまり演技が出来ていない人もいたが、Andohの演技はとても上手く、説得力があったし、身体の使い方も白人とは違い、ユニーク。歌舞伎がすべて男性だけでやるように、女性だけのカンパニーにも全く違和感感じなかったし、このようにして女優達がシェイクスピアの台詞を体験することが出来るのは良い事だ。テレビ・ドラマの脇役などでしばしば見るベテラン俳優も含まれており、演技は概して良かった。

Sam Wanamaker Playhouse には始めて出かけた。ロウソクだけで照明をするステージを始めて見ることが出来て、興味深い経験だった。普通にしていたら、俳優の顔の表情はとても見づらい。ステージはとても狭く、大きく動き回るスペースはないので、暗がりの中で俳優が立って台詞を言っている、という感じ。俳優は自分自身でロウソクや松明を持って自らの顔を照らしつつ台詞を言うことも多かった。この舞台はかなり狭くてアクションを見せることが難しい。その分、台詞に頼る面が大きいと思った。またアクションに時間を使わないので、大きな舞台でやるよりも上演時間が短くなっている気がした。

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