2019/03/22

"The Cost of Living" (Hamstead Theatre, London)

"The Cost of Living"

Hamstead Theatre 公演
観劇日:2019.3.2 15:00-16:45 (no interval)
劇場:Hamstead Theatre

演出:Edward Hall
脚本:Martyna Major
デザイン:Michael Pavelka

出演:
Emily Barber (Jess)
Jack Hunter (John)
Adrian Lester (Eddy)
Katy Sullivan (Ani)

☆☆☆☆ / 5

しばらくロンドンに劇を見に行ってきた。いつも書いているが、私は極端に記憶力が悪いので、見た劇のことをもうかなり忘れてきたが、そのうち何を見たかもすっかり忘れてしまうので、備忘録として、出演者や今思いだせる印象等を簡単にメモしておきたい。本当は見た直ぐ後に書くべきだったんだけど、今回は体調悪かったりひどく疲れていたりで、劇を見に出かける以外はろくになにもせずに横になっている日が多かった。

さて、最初に見たのは、障害者とそのケアをする人という組み合わせを二組描いたアメリカの戯曲。Aniは交通事故で歩けず、トラック・ドライバーの夫Eddyにお世話になっているが、とても激しい性格で、誰彼構わずいつも罵っている。しかしEddyはとても穏やかな人で、何と言われようとも怒らずに黙々と彼女の世話をする。一方、Johnはお金持ちの家に生まれた博士課程の学生で、貧しい若者のJessを専属のケアラーとして雇用している。台詞はかなり難しかったが、物語の流れはシンプルなので劇の意図は理解出来たと思う。2つの物語は独立して交互に演じられるが、最後にケアラーの二人が偶然知り合いになって終わる。ケアラーの人達のほうが弱い立場。特に、金銭的に苦しんでいて、ケアをされる人と、する人の立場の違いと、身体の弱さ/健常が複雑に交錯して、小品だが、味わいのある良い劇だった。Adrian Lesterの陰影ある演技、特にモノローグが見応え、聞き応えあって楽しめたが、しかし、彼がワーキング・クラスのトラック・ドライバーには到底見えないし聞こえないという矛盾もあった。日本でもよくあることだが、障害者や老人のケアをする人々は、経済的にはケアされる人以上に弱い立場にいることも多い、と気づかされる。なお、障害者の役を演じるふたりの俳優も障害者だった。

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