スザンヌ・ヴェガのコンサートに行って以来、昔買ったけど最近かけてなかったCDとか、今はCDも持ってないけど昔頻繁に聞いていた曲をネットで捜して聞いたりしている。前回のブログでアメリカ留学していた頃聞いたロック歌手の事を書いたが、最近は滅多にロックを聴かなくなってしまった。しかし、20歳代の当時から聞いていて未だに頻繁に聞く歌手もいる。最近もほとんど毎週のようにかけるのが、ハリー・チェイピン(Harry Chapin, 1942-1981)だ。ボブ・ディランのような、所謂フォーク・ロックのシンガー・ソングライター。1981年に、交通事故で夭折している。彼の歌は、特に名作”Taxi”や”Cat’s in the Cradle”においてのように、歌詞が魅力的なストーリーを持っていて、じっくり聞かせる。特に前者は、文芸批評などでいうところの、「アメリカン・ドリーム」をテーマとした歌で、なかなか文学的で聞き応えがある。タクシーの運転手が、昔ハイスクールで同級生だった女性を客として乗せることになったという話。彼は高校生の時は飛行機のパイロットになる夢を持っていたし、彼女はハリウッド・スターになるはずだったが・・・。歌詞はこちら。
とってもアメリカらしい歌だ。チェイピンは世界の貧困と飢餓のために様々のチャリティー活動をするなど、社会活動家としても尊敬を集めた人で、死後に連邦議会から Congressional Gold Medal という大変名誉ある勲章を受けている。また、彼の奥様を含め、家族は彼の死後、Harry Chapin Foundationという財団を設立して、今も彼の残した社会事業を継続している。彼の母方の祖父は、ケネス・バーク(Kenneth Burke)という、20世紀のアメリカを代表する文学批評家だった事も知られている。
そういう伝記的な事を知らずとも、彼の歌は、人柄が偲ばれる暖かさに溢れている。彼の作品では、人生の様々な変転に直面している人達への暖かい視線がリリカルな歌詞とメロディーに乗って歌われる。アメリカの吟遊詩人と呼びたい歌手。さて、最後に、”Cat’s in the Cradle”。愛し合っているはずの父と息子のすれ違いを歌った作品。歌詞はこちら。
0 件のコメント:
コメントを投稿