2010/07/25

"Romeo and Juliet" (Rose Theatre, 2010.7.24)

民族音楽と舞踊で楽しく見せる韓国版R & J
"Romeo and Juliet"

Mokhwa Repertory Company (in cooperation with Theatre for All) 公演
観劇日:2010.7.24  14:00-15:45
劇場: Rose Theatre, Kingston



演出、翻案:Oh Tae-Suk
原作:William Shakespeare
(プログラムにも、RoseのHPにも、美術、照明、音楽等のスタッフの記述無し)

出演:
Lee Ju Hee (Juliet, a Capulet)
Kim Joon Bum (Romeo, a Montague)
Cho Eun A (Nurse)
Kim Byung Cheol (Friar Laurence)
Chung Jin Gaku (Capulet)
Lee Nang Hheong (Lady Capulet)
Lee Kyung Cheon (Montague)
Park Jung Hyun (Lady Mondague)
Jung Il Hyub (Tybalt, a nephew of Lady Capulet)
Song Young Kwang (Mercutio. a Montague and friend of Romeo)
Kim Sung Eon (Paris)
Lee Ha Rim (Prince of Verona)

☆☆☆ / 5

民族色を最大限に生かした韓国版"Romeo and Juliet"。台詞はハングルで、舞台上に電光掲示板のようなパネルがふたつあり、英訳が出る(しかし、小さくて読みづらく、改良が必要と思う)。舞台設定はベローナではなく、どの時代かは分からないが、昔の韓国のような感じにしてある。但、地名や人名など固有名詞は原作のままのようだ。全員、民族衣装を身につけている。女性達は、あの裾の広がった、鮮やかな色合いのドレスをひらめかせつつ、音楽に合わせて軽快に舞い、美しい舞台。半ば、韓国版ミュージカルとも言える。
民族衣装と共に、韓国らしいセットや小道具が印象的。特にロミオとジュリエットが一夜を共にするシーンでは、舞台のほぼ全面を白い布でおおい、若いふたりは、その布の下に潜り込んでかくれんぼをしたり、布を体に巻き付けて戯れたりしてして、笑いを誘い、効果的。
軽やかでリズミカルな身体表現、グループで一体となった動作や踊りなど上手く使って、スピード感と統一感のある上演。戦いのシーンなど特に様式化されたゆっくりした動作に振り付けられていた。日本の演劇とも大いに共通点があるが、腰を落としてゆっくりと動く日本の舞踊などとは違い、大変軽やかで、バレーと似たような印象もある。
主役のふたりは微笑ましいういういしさを上手く表現していた。原作でもそうであるが、ジュリエットがロミオをリードするところは、芯の強い韓国女性のイメージが良く出ていた。
全体が明るく、軽快なトーンなので、悲痛なシーンがやや薄められた印象となっている。特にふたりの死のシーンは英語での公演には到底及ばないと思う。
幕切れは、原作のプロットを大きく代えて、かなり驚かされる。
星は4つにしようかどうか迷ったが、3つにしたのは、シェイクスピア作品の中では、個人的に、この劇にはほとんど関心が無く、どのR & Jを見ても、大して面白いとは感じないためだろう。しかし、これは一見する価値がある公演であることには間違いない。もし今後の再演で、見る機会のある方には是非お勧めしたい(今回は25日で終了)。

客席には、空席が目立ち、大変残念!この演出家は、韓国では大御所のようだが、蜷川などと比べて、イギリスでの認知度は低いのだろうか。韓国の会社は、沢山イギリスで大きな商売しているのだから、滅多にない韓国の演劇であるので、もっと応援して欲しいな。Kingstonという場所は、都心からちょっと遠すぎたかも。

次は公演のあったRose Theatre:

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