2012/03/04

"The Lady from the Sea" (The Rose Theatre, 2012.3.3)

イプセンのメランコリックなコメディー
"The Lady from the Sea"

製作:The Rose Theatre
劇場:The Rose Theatre, Kingston
観劇日、時間:2012.3.3、14:30-c.17:00

原作者:Henrik Ibsen
翻訳:Stephen Unwin
演出:Stephen Unwin
デザイン:Simon Higlett
衣装:Mark Bouman
音響:John Leonard
音楽:Corin Buckeridge

配役:
Doctor Wangel: Malcolm Storry
Ellida Wangel: Joely Richardson
Bolette (their elder daughter): Madeleine Worrall
Hilde (their younger daughter): Alexandra Moen
Arnholm (Bolette's former tutor): Richard Dillane
Ballasted (a painter & Jack-of-all-trades): Robert Goodale
Hans Lyngstrand (a sickly artist): Sam Crane
The Stranger: Gudmundur Thorvaldsson

☆☆☆☆★/5

27日にロンドンにやってきました。今回は3月末まで滞在します。昨日3月3日に今回の滞在で初めて劇場に出かけました。お腹が悪くてぐったりしていたのと、時差ぼけで、最初のほうでかなり居眠りしてしまい、残念!でもその後は結構楽しみました。この作品は西欧古典的な意味での「喜劇」で、色々と混乱を経て、最後は調和で終わる、という筋書きです。'Doll's House'を喜劇にしたような作品です。チェーホフとシェイクス ピアのTwelfth Nightを混ぜたような雰囲気。明るさとメランコリーが、気まぐれな天気のように入れ替わりつつ進行します。かごの中に閉じ込められている、と感じる妻、それに気づかない、人が良く悪意のない夫。外へ出たいという妻の欲望に一気にはけ口を与えるThe Strangerという、謎めいた突然の訪問者。軽口を言って雰囲気作りをするフール役の絵描きで便利屋の男。病気療養中の欝気味の彫刻家。人の世話ばかり焼いて、自分を犠牲にしていると感じ、不満が募っている長女。その長女を、自分の家からの脱出を餌にして口説く年配の教師。若さが横溢して、今は悩みを 知らない次女。本当にチェーホフやシェイクスピアに出てくるような人ばかり。なかなか面白かったです。

明るい照明とクリーム色のセットや衣装で、いかにも保養地のような雰囲気が良く出ていて、効果的でした。エリーダは海から船に乗ってきてやってくるThe Strangerに誘われて、また海に戻りそうになるのですが、否応なく海へ引きつけられるというモチーフに民話的なものを感じさせ、'Little Eyolf'に似た雰囲気もあります。エリーダには、どこか人間離れしたものがあり、日本の夕鶴のお話も思い出されました。

Joely Richardsonは2009年に亡くなられたNatasha Richarsonの妹。お姉さんよりもやや地味で、硬質な感じの女優。でもそれほど若くもないのにすらっとした見栄えの良い体躯はお母さん譲り。演技も良かったです。彼女を支える名優のMalcolm Storryも文句なし。その他の役者もほころびのない演技陣でした。

6 件のコメント:

  1. ライオネル2012年3月4日 21:28

    ウワァ~  ご覧になったんですね・・・・・うらやましいです!!
    ジョエリー・リチャードソンは好きな女優の一人です。(姉妹お二人とも大好きです)すごく観たくて仕方がなかったので、・・・・一時はこれと「花粉熱」を観にだけ行こうと思ってましたが・・・・年始に仕事が変わるかもしれないので、予定がたてられなくて、あきらめました。
    彼女の瞳、ステキですね。4★がついているので、ますます見たいです。

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  2. ライオネルさん、コメントありがとうございます。この女優さん、お好きなんですか。私は始めてステージで見ました。きれいな人でした。すごいファミリーですねえ!

    イプセンというと、とてもシリアスな劇ばかり見てきましたが、この劇は明るくて、楽しく見られました。日本でも上演の例はあるようですが、もっと上演されて良い作品ですね。デビット・ルヴォー演出、佐藤オリエ主演でTPTがベニサンピットでやっているのですが、多分見たと思うんだけど、見たかどうか思い出せません。 Yoshi

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  3. ライオネル2012年3月5日 9:33

    Yoshi様
    俳優座では千田演出で公演しました、栗原小巻さん、旦那さんが浜田寅彦さん、画家が中野誠也さんで公演しました。イプセンにしては「イヨルフ」よりは明るくて、好きな本です。
    「イヨルフ」は初めて読んだときは、何がなんだかさっぱりでしたから。
    ジョエリーの舞台はまだ、見たことが無くて・・・・・ドラマの「マイアミ整形外科医」、「チャタレイ婦人」とか・・・・最近の映画「ドラゴンタトー」にも出てますね。

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    1. Joely Richardson、ウィキペディア英語版によると、たくさんの映画やテレビドラマに出ているようですね。舞台出演は珍しいのかもしれません。見られて良かったです。

      この劇、驚くほどチェーホフ風の雰囲気でした。日本人観客が好むタイプの劇と思います。

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  4. おひさしぶりです。ロンドンにいらっしゃってるのですね。実は私も10日から16日まで滞在します。お会いできる時間的余裕はございますか?報告したいこともございます。
    この「海の婦人」も見たいのですが、郊外で遠くて、滞在中はソワレしかないんですよね。迷います。紅さんピットのは見ました。ローズのを写真で見ると、船の甲板のような舞台になってますが、ベニサンのも同じような甲板を模したような舞台だった記憶があります。堤真一はまだ無名でしたね。佐藤オリエと濃厚なラブシーンがあってびっくりした記憶があります。

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    1. BPさま、お久しぶりです。ビクトリアでしたか、お会いした時が懐かしいですね。

      そうですね。そういわれればステージが湾曲していたのは甲板でしたか!私の目は本当に節穴です!教えていただきありがとうございます。

      さて、お会いできれば大変うれしいです。BPさんは短い滞在期間ですのでお忙しいでしょうから、そちらの可能な日時や場所をいくつかメールでお送りくだされば幸いです。なるべくそれに合わせたいと存じます。メールアドレスが分からない場合は詳細プロフィール欄にあります。Yoshi

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