お盆前後の時期、実家に帰省したり、海外にいたりで、自宅でじっくり戦争に関するテレビ番組を見ることが少なかったが、今年は色々見ている。録画しておいたNHK BS1 のドキュメンタリー「幻の原爆ドーム ナガサキ 戦後13年目の選択」で、浦上天主堂廃墟の破壊について見た。
当時の市長とカトリック教会長崎大司教が、多くの市民や議会の反対を押し切って破壊を決断したこと以外、はっきりしたことは分からないという結論。番組は、遺族や教会関係者などの証言を中心に、過去の痕跡を消して復興を進めようとした二人に同情的な終わり方となっている。
西洋文明の象徴であるカテドラルを、これまた西洋文明が生んだ究極の凶器、原爆が破壊したのであるから、この廃墟が残っていたら、広島の原爆ドームを超える痛みを与えるシンボルとなっただろう。それ故にまた、もう見たくないという人も多かっただろうと推測する。東北大震災の震災遺構にも似た事情は色々とあっただろう。しかし、今となってみれば、破壊されたのは、歴史の教訓の継承にとっては大きな損失と思えた。
0 件のコメント:
コメントを投稿