昨日3月10日、今年度まで非常勤講師として1科目だけ教えてきた大学の講師室に行って、メール・ボックスを片付けてきました。電話をかけて講師室付きの職員さんに頼むことも出来たかも知れませんが、職員さんに余計な作業を頼むのも気が引けましたし、事務書類や残っている教材プリントに加え、個人宛郵便物などももしかしたらあるかも知れないので、念のために出かけました。
この学校には4年間勤めました。ちょっと古風な雰囲気のある大学でしたが、事務職員さんは丁寧で親切だし、大学のサイズの割には図書館は大変充実しているし、教室やキャンパス全体はきれいだし、教室のAV機器も充実しているし、その他、全体的に大変素晴らしい大学で、私が今まで常勤・非常勤で勤めた大学のなかでも一番快適に仕事ができたと思います。でも非常勤講師の定年まであと2年間を残して退職することにしました。ひとつは、昨年の冬から春にかけてかなり腰痛があり、通勤や授業に苦労したことです(腰痛はその後大体おさまっています)。またそれ以前から、往復で3時間かかる通勤時間は、体力のない私にはかなり辛くて、非常勤のあと3日間くらいは疲れが残ってごろごろしていました。それでも、もうひとつのことがなければ続けたと思うのですが、それは履修者がいなくなったことです。私の科目は選択科目でしたが、今学期は履修者ゼロで、開講されませんでした。その前の学期は2名の履修者でした。昨年度以前も履修者は5名程度でしかも学期中に授業を放棄する学生が多かったです。教室に行っても電灯が付いてなくて誰もいない、という日も複数回あり、実に情けない思いをしました。私の昔の専任校もそうでしたが、履修者が5〜10人程度の選択科目は、その年度は休講となり、それ以降は科目がなくなって、担当の非常勤講師もその科目だけなら辞めて貰うか、他の科目を担当してもらう事が多いです。この学校はその点とても親切で、そういうルールは無いようなんですが、しかし学生から全く興味を持ってもらえない科目を教えるのは辛いし、学校にも申し訳なく感じていたので、今年度で辞めることにしました。
若い頃なら、授業のやり方を色々と変えて試してみて、学生の反応を見たと思いますが、教員の仕事もあと2年、しかも体に無理して遠くまで通う元気もなく、これが潮時と思いました。英米文学専攻の学部学科ではなかったので、私の授業内容が学生の興味とずれており、また、専門外の学生の興味を引きつけるには教師としての力量が足りなかったのだと思います。
今学期は履修者はいなかったので、結局、実質的な業務の上での退職は昨年の夏でした。しかし、それ以後も今月まで、オンラインの辞書やジャーナルなどの図書館の資料は利用でき、大学に籍を置いていることで勉強の上では助けられました。今月でそれもなくなってしまうかと思うと残念ですが、今まで良くしていただいた大学に感謝しています。
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