2022/04/02

退職者の新年度

 今日は2022年4月2日。昨日、新聞やテレビでは新入社員関連の記事とかニュースなどが伝えられている。新年度と言っても無職の私には何の変化もなく暮らしているだけなので、せめてブログで今年度何をするか(あるいは、しないか)について書いて気分を変えることにした。

 私にとって今年度の大きな変化としては、先日のブログでも書いたように、1科目だけやっていた非常勤講師職がなくなったことだ。教員生活の完全な終わりということで感慨深かった。一昨年の前期以来、コロナウィルス流行のおかげでほとんどがオンライン授業であり、また昨年度後期は担当科目の履修登録者がゼロだったので、この2年はキャンパスに行くことは少なかったが、それでも非常勤講師としての所属があり、図書館やオンライン資料が利用できること、そして少額とは言え毎月一定のお小遣いが入って年金を補えたことは大きかった。これからは図書館で内外の学術書を借りたり、他大学から論文のコピーを取り寄せてもらったり、オンラインの有料データベースや辞書、オンライン・ジャーナルなどを閲覧したりも出来なくなるので、実験などが不要な文学研究とは言え、研究活動は事実上難しくなる。非常勤先大学の紀要という論文出版の手段もなくなる。大した業績はあげていない、否はっきり言って最底レベルの研究者でしかない私だが、研究を取るとほとんど何も残らない人生を送ってきたので、これはかなり辛い状態だ。勉強する事以外に趣味も乏しく、大学や学会でつきあってきた人を除き、友だちはいない。しかも、留学するために早めに退職したので、職場や研究上での知人・友人とはもう通信もほぼなくなった。ここで、頭を切り替えて、新しく人生を始めるつもりで頑張らないといけないと思っている。とは言ってもこれから新たな趣味を見つけて打ち込むような才覚も体力もないので、今までやってきたことの中から好きなことを育てていこうと思っている。

 まずは勉強。論文の投稿や研究発表は出来なくても、そして新しい研究資料は手に入らなくても、自分で勉強する事は出来る。幸い、読んでいない研究書や中世の文学作品のテキストが沢山積んであるので、それらを丁寧に読むだけで充分余生を送れそうだ。チョーサーもラングランドもガワーも中世劇やインタールードも読んでいない作品や詳しく勉強していない作品だらけだ。研究資料としては古すぎる本でも、私個人の勉強のためには充分だ。

 私は学部生時代は大変な映画ファンだった。3年生の時には大学の授業をさぼって映画に行ってばかりいて、沢山単位を落としてしまい、4年生で大忙しになったくらいだ。今やシニア料金が利用できるので、どんどん映画に行こうと思う。毎月、2,3本、あるいはもっと多く、見たい。

 このブログでも特に留学中にはよく感想を書いていたように、演劇も大好きだ。特に英米演劇は専門とも近いので、劇のチケットは高価なので費用は結構痛いけれども、たまには出かけたい。

 その他、専門外の読書(特に英米の小説やミステリ、歴史書など)、ラテン語初等文法の復習、海外ドラマ(妻がNetflixに入っているので利用させてもらう)などもある。もちろん、生活全体で言えば、家事や病院通い、日々の買い物など必要な用事もあるので、老後生活、けして暇ではない。ボケ防止のためにも、だらだらせず、また体に無理をせず、そして、(フルタイムの職を早く退職したので少ない)私の年金に見合ったレベルで、できるだけ楽しく充実した生活を送りたい。

 

2 件のコメント:

  1. 先生お久しぶりです。
    先日、Yuukaさんと話をしたところでした。
    大学も斜陽産業ですから、私が知っている過去6年間でも、労働環境が悪くなっているように思います。昇給もないし、テニュアを取ったら逆に給与が減る有様です。
    それでも、民間と比べれば安定していますし、しがみついて仕事をしている感じです。

    私の場合、実務家教員のような扱いでの雇用なので、学生さんに対していかにポジティブな影響を与えるか?というところが、心の拠りどころになっているのではないかと思います。
    そんなこともあり、市内から北に車で40キロの町に引越しました。
    過疎の町への貢献や、(コロナが落ち着いたら)留学生に田舎の生活を楽しんでもらえればと思っています。
    また、どこかでお会いしたいですね!

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    1. Takaoさん、こんにちは。メールでお返事しましたが、こちらにもリプライを書いておきます。環境の素晴らしいところに引っ越されたようで、お子さん達にとっては何よりですね。魚釣りとか自宅でのキャンプとか、私自身の子供の頃、父の実家に行った時の事をなつかしく思いだしました。そういう体験、ずっと良い想い出として残ると思います。但、車での通勤時間がかなり長くなったのかも知れません。地方にいると、運転時間が長くなります。どうかお気をつけて。

      今も時々はブログを更新されているようなので、時々はチェックするようにしますね。ではコメントありがとうございました。またお会いできる時を楽しみにしておりますので、上京される機会がありましたらお声をおかけ下さい。

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