イギリスに居た頃とても楽しく見ていたコメディ・ドラマ、BBCの "Rev."、シリーズ1~3を英語版のDVDで購入して、見始めた。私の好きなイギリスがいっぱいで、たまらない。主役のトム・ホランダーが上手い!奥さん役のオリヴィア・コールマンが魅力的。そしてサイモン・マクバーニーをはじめとする芸達者な脇役陣が豪華で、素晴らしいアンサンブル。英語はアクセントが難しいので、英語字幕を一生懸命追いながら、何とか理解している(^_^)。問題だらけだけど人情あふれる下町のロンドンの多民族社会を、お人好しで寂しがり屋の教区司祭の日常を通して描いている。なお、”Rev.” は”Reverend”の省略で、聖職者の敬称。「・・・師」といった言葉。
BBCの”Rev.”のサイト。クリップは国外では見られません。
このDVDにはドラマ以外にも、俳優や演出家、脚本家へのインタビューなど付録のビデオが色々ついている。その付録のひとつで、ドラマのロケ地として使われている教会を、教区司祭が自ら紹介したクリップがあった。
この教会は、ロンドンの北東部、ショアディッチ(Shoredich)にある聖レナード教会(St. Leonard’s)。電車だと、地上を走るロンドン・オーヴァーグラウンドの Shoredich High Street 駅から北に少し歩いたところにあるようだ。ドラマの設定同様、イーストエンドの下町にある教会。アングロ・サクソン時代からおそらくここに教会があったであろうと推測されているが、ノルマン人によって壊されて新しい教会が建てられたらしい。それが12世紀。しかし、その後も改築を繰り返し、結局、18世紀に大きく破損したのを機に全く新しく建て替えられた。20世紀末にも老朽化が進み、1990年に大幅な改築がなされて今に至っているそうだ。ドラマで見ると、教区教会としてはかなり大きくて立派な建物で、素晴らしいパイプオルガンがある。
さて、何故わざわざこの教会の事を書くことにしたかというと、ここにイングランドのルネサンス演劇の中心人物のひとり、ジェイムズ・バーベッジ(James Burbage}とその息子リチャード(Richard Burbage)が埋葬されているから。前回のブログでも書いたように、そもそも、ショアディッチというのは最初の常設商業劇場、シアター座(The Theater)と、その後すぐ出来たカーテン座(The Curtain)の在った地区でもあり、バーベッジ一家ゆかりの地なのである。ビデオによると、お墓は教会の地下の墓所にあり、特別に開けてもらわないと見られないらしい。この地下の墓所は、戦時中は防空壕としても使用されたそうである。地下はどうかわからないが、予め問い合わせすれば、司祭さん(Revd. Paul Turp)が自ら教会の案内をしてくださるとのこと。
更に、ここに埋葬されている重要人物として、エリザベス朝の喜劇役者、リチャード・タールトン(Richard Tarleton)がいる。彼は当時ナンバー・ワンの人気役者と言っても良い人で、エリザベス女王のお気に入りだったそうであり、また、劇団、女王一座(Queen’s Men)の中心人物のひとりでもあった。才能豊かで、バラッドやパンフレットも執筆していて、現存してはいないが劇も書いている。
私も、ロンドンにまた行くことがあったら、訪れてみたい教会。教会のホームページ。メニューの”History”のところに教会の歴史が詳しく書いてあります。
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