2018/12/06

学会発表を終えて

先週末(11月30日、12月1-2日)、学会で名古屋に行ってきた。30日は学会の委員会、1日と2日は学会本番だった。その前からずっと体調が悪く、胃腸が荒れていて、3日間、腹部の不快感をこらえつつ過ごした。30日の新幹線の中では、気分が悪くてずっと目をつぶって我慢している有様だったし、特に12月1日は私自身が口頭発表したので、どうなるか大変心配した。実際、途中気分が悪くなりそうな瞬間があったが、何もなくて無事に発表を終え、ほっとした。帰ってきたらもの凄く疲れが溜まっていて、木曜日の今日になっても、未だにそれが取れてない感じがする。

私の発表は予定通りに終わった。何度も練習して、せめて時間はしっかり守り司会者に迷惑をかけない事だけはいつも心がけている。今回も制限時間の30分の前後で収まり、おそらく誤差は1分以内だったと思う。その点は満足。司会をして下さったのは、私よりずっと若い、働き盛りの中世演劇の専門家の先生。これまで直接お話ししたことがなかった方で、今回知り合えて良かった。中世劇の専門家は大変少なく、若い先生は他にはおられないので、彼からは今後も色々と教えていただきたいと思っている。発表後の質疑応答も、大変学識豊かな権威者の先生方から質問やコメントをいただき、ありがたく、かつ参考になった。

但し、発表した本人としては、以前にも書いた事があるが、自分の発表がどういう風に受け取られたのか知るのは難しい。学会発表をすると、大体は「ご苦労さま、面白かったです」と苦労をねぎらってもらえるのが常。でも、それ以上の突っ込んだコメントをもらうことや率直に批判してもらえることは少ない。面白いと言われても、どこがどう面白かったのかも、よく分からない。過去においても、大きな学会で発表し、何人もの方に好意的なコメントをもらい、望外に良い感触を得たはずなのに、発表原稿をまとめて査読誌に投稿してみると、修正意見もなく、一刀両断にされて掲載拒否、ということもあった。だから、「ご苦労さま」的な反応はまさにそれだけのこと、と思うことにしている。率直な感想を言って貰うには、もともと親しい交友があり、しかも専門分野も近くて内容が理解出来る人である必要があるだろう。しかし、私ほほとんどひとりで中世演劇を勉強してきたから、そういう友人はいない。ただし、今回は発表当日前後、体調の上で大変辛かったので、自分自身に対して本当に「ご苦労さまでした」と言ってやりたい(^_^)。

今回も何人かの若い研究者の発表を聞いたり、懇親会等で話したりした。近年の若い研究者や働き盛りの方々の優秀さには、いつもながら舌を巻く。多くの競争をくぐり抜け、内外の最もレベルの高い大学院の博士課程、そして専任職に進まれているのだから当然だ。彼らの多くが、そもそも頭の回転が早く、メンタルも強く、また競争心もプライドもある、という印象を受ける。一方、私の世代の文学研究者は、私自身がその典型だが、会社や役所の勤め人にはなりたくてもなれないという落ちこぼれで、内向的で人前に出るのが苦手、社会的にはかなり不器用な人がかなりいた。だから文学部に行き、こつこつと勉強して何とかその分野で生きながらえたという人種。今はそういう人では、研究者の世界では全く生き残れない。文学研究を含め、アカデミアのどの分野でも、研究者は競争を勝ち残る卓越した能力と強い精神が必要だ。今だったら、私は大学卒業度どうしているだろうか。教育・研究職なんて望むべくもないから無理にも何らかの勤めにでているだろうけど、私でもやれることがあっただろうか。

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