"Eden"
Hamstead Theatre 公演
観劇日:2019.3.13 14:45-16:45
劇場:Hamstead Downstairs
演出:Matthew Xia
脚本:Hannah Patterson
デザイン:Jasmine Swan
照明:Ciarán Cunningham
出演:
Laurietta Essien (Alison)
Mariah Gale (Jane)
Sean Jackson (Bob)
Yolanda Kettle (Sophie)
Adrian Richards (Golf Caddie, Journalist, etc.)
Michael Simkins (Chase)
☆☆☆☆☆ / 5
Hamstead Theatreの中にある小さなスタジオ劇場。私はこの公演をシニア料金で見ることが出来、たった10ポンドしかかからなかった。しかもプログラムは無料配布。2,3見たリビューはあまり良くなかったので期待はしていなかったら、意外や意外!とても楽しめた。私の好きなタイプの劇。今回の渡英で観た劇の中でも、最も満足できた公演かも知れない。
シナリオを書いたHannah Pattersonが劇の発想としたのは、スコットランド、アバディーンシャーで実際にあったゴルフ場の開発とそれに伴う自然破壊や贈収賄疑惑。開発をしているのは、The Trump International Golf Links、つまりドナルド・トランプの会社。この事件をベースに、Pattersonは、反対運動を最後まで(死に至るまで、というのも彼は癌を患っているから)貫徹するBob、その娘で地質学研究者のJane、開発会社社長のChase、Chaseの部下で、土地買収の実務に当たる地元出身の女性Sophieの人間関係を通じて、開発によって引き裂かれる人々の複雑な気持ちを描く。Chaseの情け容赦ない傲慢さ、どんな人でも金と物欲を操作すれば動かせるとする彼の考え方が、信念に忠実に生きるBobと対比される。一方、JaneやSophieは仕事と愛情のせめぎ合いで苦悶する(ふたりは、Sophieが町を出る前は恋人同士だった)。町の経済的発展を考えつつも、Bobにも同情する市議会議長のAlisonも良い人物造形だ。
俳優は皆巧みな演技。Chaseを演じたMichael Simkinsはロンドンの演劇界の常連のようだし、Mariah GaleやYolanda Kettleもイギリスのテレビなどで脇役として活躍中。こういうしっかりした俳優の演技を直接劇場で、しかも一番高いチケットでも14ポンドで楽しめるなんて、素晴らしい!脚本のHannah Patterson、演出のMatthew Xiaの名前も、憶えておきたい。
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