2019/06/03

日本中世英語英文学会、西支部研究発表会に出席

6月1日土曜日、岡山理科大学で開催された日本中世英語英文学会、西支部研究発表会に行ってきた。支部会でありながら、大変充実した会になり、出席者は皆満足されたと思う。前年度の支部長の先生による企画の良さに負うところが大きい。

ひとつの企画は新刊書『いかにしてアーサー王は日本で受容されサブカルチャー界に君臨したか』の紹介。英米でよくある book launch というタイプのイベント。編者のひとりの先生の熱意溢れるスピーチに圧倒された。フロアーからの質問の時間がほとんど取れなかったので、もっと(あと15分くらい)時間があっても良かったかも知れない。こうした新刊書をめぐる企画は、今後もあってよいと思った。登壇されたお二人の編著者は、学部生や大学院生時代から知っているが、すっかり立派な研究者になられて、本当にまぶしいばかり!今や後の方から走っても追いつけない!

もうひとつの企画は、「チョーサーを読む」というワークショップ。具体的には短い(15分)ペーパーを4人が読んで、それについてフロアーと話し合うという形式。出席者の少ない支部会だからこそ生きるスタイルだ(大きな学会であれば、部屋をいくつか分割して複数やれば良い)。このスタイルはシェイクスピア学会で「セミナー」と題して昔からやっているようだし、英米の学会でも一般的。発表者は、議論の叩き台を提供する役目だから、研究報告、問題提起、あるいは先行研究の紹介として話せば良いとすれば気が楽だし、終始一貫していなくても、あるいは特定の結論がなくても話せる。そのようなものと考えれば、研究発表的な要素を最低限に抑え、最初の発表は「問題提起」として時間はそれぞれ10分程度に絞り、その代わりもっと議論を誘発するような仕掛け(例えば多くの問いを投げかけるなど)を考えても良かったのではないかとも思える。今後、東支部や全国大会、各種研究会などでも、必要に応じて取り入れてはどうかと思った。

個人の研究発表をなさったのは大学院生の方が一人だったが、大変良くリサーチされていて、専門外の私にも興味を持って聞くことができた。

学会の役職の関係で行くようになった西支部だが、おかげさまで充実した1日を過ごせ、準備委員のみなさんに感謝している。

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