2011/09/24

『キネマの天地』(紀伊国屋サザンシアター、2011.9.23)

俳優の巧さで大いに満足できた
『キネマの天地』

こまつ座公演
観劇日: 2011.9.23   13:30-16:00
紀伊国屋サザンシアター

脚本:井上ひさし
演出:栗山民也
出演:麻実れい、三田和代、秋山菜津子、大和田美帆、木場勝己、古河耕史、浅野和之

☆☆☆☆ / 5

帰国後初めての観劇。喜劇には日頃あまり関心が無い私も、大変楽しい時間が過ごせた。

演出家小倉虎吉郎(浅野)の妻で、女優の松井チエ子が不可解な死(事故死?他殺?)を遂げてから一年経っていた。築地東京劇場に集められた4人のスター女優。この4人の中に殺人者がいるのではないかと怪しむ演出家の小倉は、助監督島田(古河)、大部屋役者の尾上(木場)の協力を得て、新しい超大作の映画の本読みという口実で、この4人のうちから犯人をあぶり出そうとするが・・・。

出てくる俳優が全員、もの凄く上手い。タイミングが絶妙でおかしい。下手な人がいないので、興ざめな時が全くない。井上ひさしは、女性の嫌らしさを面白可笑しく書くのが上手いのにびっくり。女優4人がまさに大スターなのだが、それを支える、3人の男優も勿論素晴らしい。最後の30分くらいが特に良かった。

強いて無いものねだりをすると、麻実れいが最年長で、三田和代がその下、という設定は無理があったなあ。但、三田和代の演技は、いつもは私から見ると大芝居過ぎてやり過ぎと感じるのだが、今回はデフォルメされた喜劇なので、ぴったり。一番若い大和田美帆、二代目女優と馬鹿に出来ない。面白かったです。

日本の劇だと、英語が分からなくて苦労しなくて済むので本当に楽だわ。それでもいつもの習い性で、ついチラシにある粗筋を開演前に何度も読んでいました(^_^)。

ちなみに故井上ひさしは、大昔から原発には反対だったようである。このサイトで1988年に彼が書いた記事が紹介されている。

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