2011/09/14

日米の原発事故安全対策

Mixiに書いたことを転載します。

昨日9月13日の報道ステーション、私は見ていなかったのだが、かってGEで原発技術者をしていた佐藤暁(さとし)さんという方が出演され、日本の原発のリスク管理がアメリカに比べて如何に甘いかを指摘されたそうだ。大津波リスクは、米では100万年に1回起きる大津波を想定し、対策をしているとのこと。外部予備電源では、日本は2回線、米は3-4回線とか7回線。

そのインタビューのまとめを書いてくれた方のブログ

米でそのくらいの準備をしているのを日本の原発科学者は当然知っていたのだろう。起こりえないと高をくくっていたのか?安全だと言い続けてきたので、非常に念入りな用心をすることが危険性を認めることとなるから、アメリカのような準備が出来なかったのか? 日本では自国で原発を作る資格は勿論、輸出する資格なんて無い。辞職した大臣の軽率発言じゃないが、これで原発を輸出したら「死の商人」。

原発関係者や学者にも、日本の原発事故対策がおかしいと思っていた人は多いのだろう。しかし、私のまわりの仕事場などでもいくらでも見てきたが、日本人は長いものに巻かれろで、どんなにおかしいと分かっていても、他人の命や人生全体を左右するような事でも、それは間違っている、とひとりで異議を唱えることが出来ないという欠点がある。

今だって、被災者支援とかチャリティー事業みたいなfeel-goodなことなら皆諸手を挙げて賛成だが、原発をやめようと言うことになると、途端に、意見無し、とか、沈黙、の人が多いだろう。そういういい加減な人よりも、今のような時代でも、リスクがあっても地域振興や職場の維持の為に原発を維持したいとか、脱原発なんて絵空事、日本経済の為には原発は必要だ、とはっきり言う人達はある意味大変誠実だ。イギリスでは、右でも左でも意見を言うことが大事であり、意見を持たない人は軽蔑されると思うが、日本の場合、意見を持たない人、「私は素人なので難しすぎて分かりません」などと言ってマジョリティーに従う聞き分けの良い人が一番歓迎される。先日、イギリスの新聞の、今回の大地震と福島の原発事故に関するネット記事のコメントで、「日本という国は機械みたいに作られていて、日本人は自分の頭で考えることをしない」( "The people don't think for themselves because Japan was set up like a machine")、と書いていたイギリス人がいて腹が立ったが、笑えるだろうか。

最近まで、電力会社の原発広告には実に多くの芸能人が出ていた。蜷川の舞台でお馴染みの鈴木杏、節操のない芸能人の多い中で、Twitterで、原発関連CMに出た事を反省し、脱原発を求めると明言。その他大勢の有名芸能人はどう身を処すのだろうか。金をもらったから宣伝したというだけ? 若い人の方が偉いね!

4 件のコメント:

  1. ご無沙汰しております。BPこと今井です。ブログは時々拝見しておりましたがコメントなかなかできずにおりました。三年間にわたるご留学、本当にお疲れさまでした。無事のご帰国よかったです。私はたった一年間でしたが帰国後は数ヶ月日中の眠さに悩まされ、金欠状態もあり、日本の芝居に興味が持てず、今から考えるとずいぶんとよい芝居を見逃してしまったようです。

    さて、お書きになられている鈴木杏ですが、脱原発を発言した翌日には、お世話になった方々への配慮が足らなかった、というような趣旨の発言もしており、その後はこの件については沈黙しています。そんな鈴木杏が出演しているパルコ劇場の「新・幕末純情伝」、まだチケットがとれるようですが、ちょっとお高いのと、研究会の発表前なので、見に行くか今迷っているところです。

    脱原発を最も強く表明している俳優は、山本太郎でしょう。彼は迷惑がかかるからといって所属していた事務所を辞め、積極的にデモや抗議行動にも参加しているようです。やはりツイッターで彼の様子を知ることができます。

    返信削除
  2. BPさま、お久しぶりです。元気でお仕事や観劇に励まれていることと存じます。

    鈴木さん、そうですか。その後は迷いもあるのでしょうね。若い人だし、客商売だし、思ってはいても他のほとんどの俳優が出来ない事ですから、無理ないでしょう。

    この夏は世界演劇学会が日本で開かれましたね。行かれたでしょうか。研究発表を間もなくされるようですが、今後是非英語で日本の演劇を世界にアピールすることもなさって下さい。発表のご成功を祈ります。 Yoshi

    返信削除
  3. Yoshiさま
    さっそくのコメントありがとうございます。FITR(国際演劇学会)の大会、恐る恐る行って参りました。が、炎天下の大阪大学、前期授業が終わったばかりの疲れもあり、自重したのと気後れしたので、短期間、一日4つ出られるセッションのうち2つだけ出るというような状態でした。

    感想はというと、ただただ自分の英語力のなさに、発表などまだまだ先、というかこのままではいつまでたってもできないな、と思いました。日本の演劇を外国に発信できる力のある先生方はすでにいらっしゃり、彼らの英語力、プレゼン力に圧倒されながら発表を聞いていました。

    ただ、若手の日本人研究者の発表には、意見をいいたい、という場面もあったのですが、自分の思っていることを英語で正確に伝えられるか、それ以前に、彼らの英語の発表の趣旨を正しく理解できているかにさえ自信が持てず、沈黙しておりました。

    サバティカル時も含めて、こうした大きな国際学会に出るのははじめてだったため、仕方なかったかなとは思いますが反省しきりです。

    返信削除
  4. BPさま、

    以前にイギリスの学会で日本人の日本史の先生が発表されたのを聞きました。日本の文化等に関することであれば、英語力はあまり重要ではない、という印象を持ちました。原稿をしっかり書いておけば、あとは、その場では質問するほうがゆっくり言ったりしてくれます。心理的なハードルが高いかと思いますが、一度やるとぐっと楽になるのではないかと思います。自分で発表するよりも、かえって質問とかコメントのほうが、相手に合わせる必要があるので難しいですね。

    英米人とか、英語が特に達者な日本人研究者とパネル・セッションを組めば、なお楽です。 Yoshi

    返信削除