2010/02/18
"A Midsummer Night's Dream" (Rose Theatre 2010.2.16)
Peter Hallの伝統的な演出
"A Midsummer Night's Dream"
Rose Theatre公演
観劇日: 2010.2.16 19:30-22:20
劇場: Rose Theatre, Kingston
演出:Peter Hall
脚本:William Shakespeare
美術、衣装:Elizabeth Bury
照明:Peter Mumford
音響:Gregory Clarke
音楽:Mick Sands
出演:
Judi Dench (Titania)
Charles Edwards (Oberon)
Annabel Scholey (Hermia)
Tam Williams (Lysander)
Ben Mansfield (Demitrius)
Rachael Stirling (Helena)
Oliver Chris (Bottom)
James Laurenson (Quince)
Reece Ritchie (Robin Goodfellow, a puck)
Sofie Scott (a fairy)
Julian Wadham (Theseus)
Susan Salmon (Hippolyta)
William Chubb (Egeus)
☆☆ / 5
Peter Hall演出、Judi Dench主演という、何十年か前から続いている名コンビによる『真夏の夜の夢』。エリザベス朝風のコスチュームで、特に新鮮な試みはなく、大変伝統的な演出だ。ロンドン郊外にあるキングストンの観客には、特に職人の寸劇が大受けして、大喝采を浴びていたが、私には面白く感じられる点のない平凡な公演で、Judi Denchを見たことだけが良い想い出になったくらいだった。
不満を言えば、例えば、TheseusやHippolitaが平民の夫婦みたいで威厳がない。Robinがさしてファンタスティックでなく印象に薄い。音楽が大して使われず、ファンタジックな雰囲気造りが出来ていない。そして、何よりがっくりしたのは、Bottomが本編を食って、妙に観客にこびた笑いを取りすぎて、うんざりした。漫才みたいだった。若い恋人たちも、今ひとつ精彩を欠き、特にHelenaは、喉が潰れていたのか、声が枯れて聞き苦しかった。
Judi Denchを、彼女のこれまでの役柄を踏まえ、また原作にもある意味を汲んで、エリザベス女王に例え、TitaniaとOberonを老境の女王と若い貴族の愛人エセックスになぞらえているようだ。DenchがTitaniaをやるのは大変不自然だが、そういうアイデアで補っているが、私には説得力は感じられない。彼女のverse speakingは大変素晴らしいことだけは間違いない。
主要な新聞の劇評では、絶賛と言って良い褒め方をしてあった。今回ほど、観客の反応や劇評と、私の感想が大きく違ってしまったことは少ない。イギリス人の多くが高く評価する要素を、私が充分感じることが出来ないのだろうか。こういうのを見ると、イギリス人が自分達のカルチャーを、お互いに「良いな、良いな」と言って喜び合っている感じがし、外国人客の私としては、仲間内のエンタティメントから排除されたという印象。しらけた。
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