2011/08/19

"One Man, Two Guvnors" (National Theatre, 2011.8.4)


スラップスティックの芸で大いに楽しめた
"One Man, Two Guvnors"


National Theatre公演
観劇日:2011.8.4  19:30-21:50
劇場:Lyttelton, National Theatre

演出:Nicholas Hytner
脚本:Richard Bean
原作:Carlo Gordoni ("The Servant of Two Masters")
セット:Mark Thompson
照明:Mark Henderson
音響:Paul Arditti
音楽:Grant Ording
振付:Adam Penford
衣装:Poppy Hall
Fight Director: Kate Waters

出演:
James Cordon (Francis Henshall)
Jemina Rooper (Rachel Crabbe, one of Francis's masters)
Oliver Chris (Stanley Stubbers, another master of Francis)
Daniel Rigby (Alan Dangle)
Tom Edden (Alfie, a very old waiter)
Suzue Toase (Dolly)

☆☆☆☆ / 5

"One Man Two Guvnors"はまさにタイトル通りの内容の笑い話:一人のおっちょこちょいの男が、二人の主人 (Rachel Crabbe, Stanley Stubbers) に同時に仕えてしまったため、その二人の要求を同時に何とかこなしていくのに大汗かくという話。しかし、その筋書きよりも、主役のJames Cordonのギャグの連続で、劇のかなりの部分は寄席のワンマンショーみたいなのり。スラップスティックなので、台詞は大して分からなくても充分楽しめた。観客をステージに上げて、ちょっとしたギャグを一緒にやったりして、ステージと客席が一体となって楽しみ、また随所に歌を挟んで、全体がバラエティー・ショー仕立てになっている。

脇役も楽しい演技。Jemina Rooperは主人公Francisの主人の1人だが、女性が双子の兄弟に化けていて、『お気に召すまま』のRosalindのようなセクシーさと不器用さが面白い。もう一人の主人のStanleyを演じるOliver Chrisはばかに気取ったところが愉快。歩くのもやっとという風情の年寄りのウエイターAlfieを演じるTom Eddenも最高に上手い。

元はイタリアのコメディア・デラルテの戯曲とのこと。しかし、Richard Beanの翻案では、設定を今世紀前半のブライトンに移している。明るい海辺の保養地の雰囲気が内容にピッタリ合っていた。背景が昔の舞台みたいな板絵なのだが、その古風な背景が、かえって時代設定と調和している。

終わった後には、なんにも残らなくて、数日経ったらすっかり内容を忘れてしまっていた。でも見ている間は最高に楽しかった事だけは確か。

演出はナショナルの芸術監督のニコラス・ハイトナー。彼は、シリアスな政治劇で本領を発揮するが、シェイクスピアのような古典、こうした軽い喜劇まで、どんな作風のものもこなせるところが凄い。大評判になって今回のNTでの切符は売り切れているが、秋に更にウエスト・エンドにトランスファーして公演される。

4 件のコメント:

  1. ライオネル2011年8月22日 12:11

    ウチに本もあったことだし、Jemina Rooperm出てるし、観なきゃなね!
    楽しみです!

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  2. ライオネルさま、

    ドタバタ喜劇に関心のない私でも充分楽しめました。ウエスト・エンドにトランスファーして良かったですね。今度は切符が直ぐ売り切れるとは思えません。それにしても、The History Boysにでたboysは大活躍していますね。 Yoshi

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  3. ライオネル2011年8月24日 17:10

    チケット買いました!
    宿泊するホテルの並びにある劇場なので、便利です。


    >History Boysにでたboysは大活躍していますね。

    ドミニク・クーパー、ベン・バーンズ、マッド・スミス・・・・そしてこのJames Cordon、皆さん看板さんです。(日本独特の演劇用語でしょうか?)

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  4. ライオネルさま、

    準備お早いですね(^_^)。楽しいご旅行となりますように。私は日本の実家や自宅でゆっくり年末年始が過ごせるのが楽しみです。

    今のDr Whoが"History Boys"のひとりとは知りませんでした。ベン・バーンズも私は知らないのですが、映画で有名のようですね。「ローゼンクランツとギルデンスターン」(Haymarket)に主演中のサミュエル・バーネットも"History Boys"の少年のひとりだったようです。そうしてみると、あれに出た若者は大変注目されて、幸運だったんですね。Yoshi

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