12月5日土曜日午後2時過ぎのOld Vic劇場。この後、Trevor Nunn演出、Kevin Spacey, David Troughton主演の"Inherit the Wind"を観ました。その劇の間に雨が降り始め、5時過ぎに終わった時には傘を差して駅に向かいました。肌寒い12月の街角。手前の木々が冬らしい風情ですね。劇場の入り口をふさぐように見えているのは、環境問題を訴える街頭アート・オブジェ。
Old Vicは1818年に出来た、現存する建物としては、イギリスでも最も古い劇場のひとつ。火災や第2次世界大戦の爆撃でかなり損傷し大改修を重ねており、最初の頃とは随分違っていると思います。最初は、イギリス王家の名前を取り、Royal Coburg Theatreという名前でした。開場当時は、伝説の名優エドマンド・キーンも出演。その後19世紀中はThe New Victoria Hall、その他の名前で呼ばれ、Old Vicという名称が定着したのは、1918年頃のようです。また、1962年から76年現在の国立劇場の建物が出来るまでは、国立劇場の本拠地として利用されました。その当時の芸術監督はサー・ローレンス・オリヴィエ。
21世紀初めの2,3年間、閉鎖状態であったようですが、2003年にアメリカ人俳優ケビン・スペイシーが芸術監督に就任。公演には成功、不成功はありますが、基本的には順調に経営を続けているようです。Shakespeare's Globeと共に、近年におけるロンドンの商業演劇界を大きく豊かにしました。スペイシーはイギリス演劇界の恩人ですね。
なお、イギリスに現存する劇場の中で、最も古く、"continually operating"(継続的に営業してきた)劇場は、Bristol Old Vicと言われています。開場は1766年。但、York Theatre Royalは1744年の開業。しかし、後者は途中で根本的な改装などしており、昔の建物はたいして残っていないのかも知れません。また、営業を中止した時期もあったのかもしれません。2番目に古いのはケント州マーゲイトのTheatre Royal。1787年の建築。
石造りの建物の場合、基礎だけを残して使っているもの、骨組みを使っているもの、改築にしても色々な程度があり、どこまでを、昔の建物が残っていると判断するか、難しいようです。
以前のブログに掲載した夜のOld Vicの写真は:
http://playsandbooks.asablo.jp/blog/2008/06/22/3590096
0 件のコメント:
コメントを投稿